【中国・重慶】重慶へ行ったら皆でダンス!「広場舞」に参加した話
先日重慶を旅行するにあたって、「やりたいことリスト」を作成しました。
その2番目に挙げた「広場舞」に参加して踊りまくった話です。(重慶では「坝坝舞」バーバーウーと呼ぶ人も多いです。)
「広場舞」とは?
「広場舞=广场舞」とは、持参した音楽を広場で流し、それに合わせて踊ること。
重慶だけでなく中国各地に存在しています。
具体的には、公園や広場、時には広い歩道で音楽に合わせ踊るスタイルの意味ですが、その集まり・コミュニティの意味で使われることもあります。心身の健康やダイエットのために中国全土でブームになり、コンテストなども開かれています。
特筆すべきはその方法ですよ!参加者は1〜2人のダンスリーダーを真似して踊りますが、参加に声かけなどは必要なくただその列に加わって踊り、疲れたら抜けます。
ダンスリーダーは指導などはせず黙々と踊り、参加者も黙々と真似て踊るのです。
めちゃくちゃシュールです。掛け声、ないです。笑顔、ないです。でも、楽しいです。
なぜ?
なぜ夜?
私がさらっと調べただけですが、主な参加者は50代以上の女性で、孫の世話が終わる時間から暇ができ、健康とコミュニティ作りのため参加している人が多いよう。(中国は共働きで稼ぎ、その時間子どもは親に預けるのが一般的。女性の定年は55歳。)
なぜ広場?
中国ではサークルなどにお金をかけるのは野暮な話で、「やりたいなら自分たちでそこら辺でやればいい」という考えの人が多い。…素晴らしいですね。
参加してみた
ということで準備運動もバッチリ、満を持して早速参加してみました。
いやー楽しいです!実はちょっとバカにしてたんだけど、すごい楽しい!
気づけば1時間も踊ってた。汗かいちゃって飲み物買いに行ったりして。
体験してわかったこと
人民大礼堂前の広場はとても広いので、色々なジャンルのダンスグループがいくつもあります。激しいヒップホップ系(ダンスリーダーは若者)から、ゆっくりしたバレエ系まで。そして好きなだけハシゴ出来ます。広場舞のハシゴ。
参加人数も多いから賑わっていて、見てるだけでも楽しい。マンション前の広めの歩道なんかでやっているグループは既にコミュニティが出来ていて少し入りづらいけど、
ここは新参者にも優しい。まあ会話、ないけど。視線の温度が、なんとなく…?
運動がしたい時、ジムはお金がかかるし一人はつまらない。その結果の広場舞。
重慶出身の友人によると、経済強化のため町の再開発が進んでいる重慶では、地域に根ざし経営していた飲食店や生活用品を取り扱うお店がどんどんなくなり、それにより人々の関係が薄くなっているそう。
もしかしたらそんな寂しさが広場舞のブームに繋がっているのかな、と感じます。
羨ましい
先日この動画を見ながら、友人と「日本で広場舞はありえないね」と話していました。
まず地域にこんな大きな広場はほぼないし、あったとしても許可が必要。何より恥ずかしくて誰も参加しない、と。(重慶でも恥ずかしがる若者はいる。私の友人のように)
たまにこういう知らない人に対する抵抗があまりないところなんかを見ると、羨ましくなります。寂しい時にポンっと知らない輪に入れるところ。他人の視線への羞恥心があまりなく、自分のしたいことをできるところ。
問題もあるけど
「広場舞」でネット検索すると、「騒音」「迷惑」など問題視されている部分が目立ちます。実際、中国政府が開催時間や場所の規制をしました。罰金も取るそうで。
確かに私の想像できていないようなことで迷惑している人もいるのでしょうね。
しかしこの問題については、当事者でもないし、自分の時間を使って真剣に解決しようとする意思すらないし(ごめん)、そんな通りすがりの人間である私があれこれ言うことはやめます。
ただ、次回旅行した時になくなってたら寂しいな…
それでは行ってらっしゃい!