【中国・重慶】心を労る大切な時間。居心地の良い茶藝館を紹介します。
中国といえば「茶」
お茶について詳しいことはよくわからない。
でも、以前麗江(丽江)で出会った素敵な店主にお茶を入れてもらった時から、様々な茶器を使ってお茶を入れ、「まったり」過ごすその空間と時間がすごく好きになった。
しかし重慶人の生活にはあまり馴染みがないようで、茶藝館の場所を誰も知らない。
そこでネットで検索すると、この茶藝館が出てきたので行ってみた。
白鷺原茶藝館について
茶藝館は「金陽重慶映像商業歩行街(金阳重庆映像商业步行街)」という場所にあり、解放碑からはバスで約1時間。
「重慶映像」は他のショッピングエリアとは違い、「昔の建物が並ぶ場所で伝統文化を体験し、郷愁にひたる」というような目的で作られたエリアになっている。
茶藝館はお茶を飲みながら「空間と時間をゆっくり楽しむ」という目的があるため、外装や内装にこだわって設計されている。
この建物は2階に内装の違う個室がいくつもあり、利用者が目的によって部屋を選べるようになっている。利用は有料。
個室でゆったり時間を楽しむ
私が案内されたのは1階のこの部屋。
1階は広間にテーブル席がたくさんあったが、タバコの煙が充満していたため個室に案内された。ここは無料。
お茶の種類が豊富にあるが、冒頭書いた通り全く詳しくないので適当に選ぶ。
お茶の用意を待っている間、果物やお菓子が運ばれてくる。もちろん無料。
お茶を入れる動作を見ながら、茶葉についての話を聞くも、よくわからない。そんなことより良い香りが部屋に満ちて、幸せな気分になる。
館内も素晴らしい
お茶を飲みながらしばらく会話を楽しんでいると、お坊さんのような雰囲気を纏ったスタッフが来て店内を案内してくれるというので喜んでついて行った。
館内を案内しながらものすごく真剣な眼差しでお茶の話をしてくれる。頭に汗の粒が見えるほど熱心なのに、なんと私は恐らく7割ほどしかわかってない。
ごめんなさい。その姿勢にいたく感動し、恩返しができなかった思いを胸に、今この記事を書いています。
お茶の公演
案内後、「お茶の公演が始まりますが、見られますか?」と聞かれたので場所を移動することに。
昔のお茶の入れ方を再現した公演。
パフォーマンスかと思っていたら本当にお茶を入れていたようで、直接テーブルまで運んで下さった。ありがとうございます。
いつも中国で学ぶこと
一人で訪れたためか、外国人だからか、先ほどの坊主のスーパースタッフさんが最後まであれこれお世話をしてくれた。
あまりに良くしてくれるので、「チップ制…?」と思ったが、お会計が終わっても何も言われない。「この辺はタクシーが広いにくいから」と大通りまで出て車を捕まえ、行き先を告げることまでしてくれる。
「これって本当にただただ親切にしてくれてるってこと…?」
そうして最後まで手を振り続けてくれた彼の姿は見えなくなった。
何の目的もない、優しい親切心だった。
今まで中国を旅行した時のいろんな場面を思い出した。重い荷物を笑顔で持ってくれた人、列車の食堂車でご馳走してくれた人、席を譲ってくれた人、パスポートを届けにホテルまで戻って来てくれた人。
何度も助けられ、何度も教えられる。
Have a nice Tea time
「どんな人がここを利用するのか」と尋ねた時、「ビジネスパーソンが多い」と言っていた。日頃多くのストレスとプレッシャーの中で生きている人たちが、この茶藝館でゆっくりお茶を飲みながら心を解放していくのだ、と。
日本では静かなバーなどがそれにあたるかもしれないが、「健康的な方法だ」という一言はとても魅力的に聞こえた。
次に重慶に行ったら、お礼も兼ねてもう一度訪れることを決めている。
それでは行ってらっしゃい!